心に空いたぽっかりとした穴の原因を知っていますか?
泣きたいのに泣けない。
ほんとは強がっている。
感情を閉じ込めた。
よく心にカギをかけたって言葉を耳にする。
鍵をかけてしまうことは、どこかである。
痛みを覚えた瞬間に心の中のすべてを閉ざした。
そして、建前だけで人と接するようになった。
どんな人生をたどっていても、落ち込んだときは、心が沈む。
鍵をかけてしまい、自分を隠す。
そして、人と関わることをやめてしまった。
心のカギは解くまでに時間がかかる。
ほんとに信頼していた人に裏切られた時に
『どこかで信頼をできなくなってしまう』
心を閉ざす原因はいくらでも生まれる。
君の痛みを理解してほしいから、気づいてほしいから笑顔だけど、
ほんとは泣きたい。
そんな、あなたに贈ります。
〇
人はどこかで、傷つき、信頼を裏切られた気持ちになり、信じていた自分すらを偽る。
いじめられて、自分の居場所を失った。
原因がわからなくて、教えてもらえなくて、自分から距離を置くようになった。
そしたらどんどん一人が好きになった。
けど、なにかぽつんとそこに空いたこの気持ちが何かがわからない。
この1人でいる感覚に何かしらの痛みを感じるようになった。
痛みを感じたくないから『誰か』を求めた。
誰でもよかった。ほんとに誰でも。
この空いた何かを埋めたくて必死だった。
そしたら、どんどん自分が『愛』を求めているのだろうと感じるようになった。
〇
心の中にある何かが『愛』なのかなと思った瞬間、人を好きになるようにした。
好きになって好きになって、気づいたら、人なしではいられなくなった。
答えのない愛情を求めて、走り回った。いろんな人に会いに行った。
そしたら、寂しさという気持ちが生まれた。
どこかで『寂しさ』を感じ始めた。
ぽつんと1人でいるこの気持ちを自分では理解できなかった。
『寂しさ』を感じたくなかったのかもしれない。
そしたら、寂しくなんかないと思うようになった。
〇
寂しさを消すようになってから何かと楽になった。
簡単だった。寂しさを隠すことは。簡単だった。笑顔でいることは。
ただ、ぽっかりと空いた穴の中にあるこの『なにか』はわからないままだった。
寂しさを埋めるように人と話しても、ぽっかりと空いているこの穴は埋まらない。
何がその穴を埋めるのかわからなくなり、その寂しさが大きくなり、答えを生み出さないことはわかった。
そして、心は大きく穴をあけていく。
何が、その原因かを知らずに…。
〇
ある時、また『寂しさ』がやってきた。
けど、これは偽りの気持ちだと自分に言い聞かせた。
寂しくなんかないんだ。だって、周りに人がいるじゃないか…と
ただ、心の穴は大きく大きく痛み始めた。
無性に『悲しく』なり、わけもないのに「涙」がでた。
なんで泣き始めたのかわからない。
単純に今まで泣くことをやめていたから。
気づいたら、泣くことをやめ、笑顔という仮面と自らを隠すかのように
心に何かが引っかかっていることに気づいた。
ほどけないほどの鍵。大きな大きな毛糸の玉の中にその『何か』がいた。
ほどきたくてもほどけない。
鍵を開けたくても、開け方がわからない。
そしたら、また涙が出た。
〇
涙は止まらず、声を上げて泣いていた。
泣いて泣いて、日が暮れるまで泣いて、
気づいたら、いろんなことを思い出していた。
今までのすべてを思い出し、辛くなった気持ちを思い出し、また泣き、そして、大丈夫と思ったら、まだ涙が出る。
『記憶』の中にある『記憶』
閉じ込めていた『自分』
今まで溜まっていた『自分』を偽っていた『泥』を流すかのようにとめどなく、あふれ出てしまう涙。
辛かったのだろう。辛くて、辛くて、痛くて、辛くて。
自分が悲鳴を上げて、心の中でほんとの『自分』が泣いていたのだ。
幼い自分が心の中で、涙を流していた。
辛かったよね。気づいてほしかったよね。うん。近くで見てたよ。
そう、言って、泣いていた。
自分の空いた穴の原因がわかった。
『偽りの自分』だった。
〇
ぽっかり空いた穴が『偽りの自分』と気づいたときには、気づいたら体はボロボロ。
答えのない毎日を、怠惰にしていた毎日を過ごし、1日を大事にしていなかったと気づいた。
自分の体は傷つき、心はそれの何倍も傷を負い、そして、痛みを感じぬように心を閉ざしていた。
そして、それを隠すかのように『偽りの自分の心』が勝手にもう一人の自分を演じていた。
理想ではなく、傷つかないための自分を。
そして、傷つかない自分を演じ、『ほんとの自分』を捨てようとした。
その時に心は、涙を流した。
自分を大切にしないといけない。
そう、そして、自分を大事に愛でなきゃいけない。
『愛』でもなければ、『寂しさ』でもない。
ほんとに気づいてほしかったのは『ほんとの自分の気持ち』だった。
手遅れに感じるかもしれないが、時間をかければ、少しでも心の中の自分を出すことができる。
少しずつでいい。すぐに自分を出さなくてもいい。
偽りの自分を作り、失う毎日はあってはいけない。
だから、心のカギを解くのは、涙。
痛みを感じて、抱きしめてあげてほしい。
痛いかもしれない、逃げたくなるかもしれない。
けど、その痛みは、人の気持ちを知る『気づき』になるから。
自分の痛みを知れば、相手に優しくなれる。
傷ついてもいい。ただ、その痛みを抱きしめて、自分はそれを乗り越えて、変わればいい。
そしたら、人にやさしくなれるから。
気づいたら、心にぽっかりと空いたときは
自分の心が隠れてしまった証。
だから、気づくまで時間はかかる。
けど、ぽっかり空いた穴は自分で埋めることもできる。
原因はそれぞれあるけど、涙を流した時、じっと自分を見つめてほしい。
そしたら、ほんとの自分を見つめられるから。